ご案内

普通日本人は子どもの勉強もありますんで、日本人がたくさん住んでいる日本人学校の近くに住むのが常です。 私はともかく子どもが、前にも言いましたアメリカンスクールへ行ってましたので、日本人学校には関係ないからドイツ人住宅街の真ん中に住みました。
いろいろドイツの勉強もそういうことでやろう、ということをいたしました。 そのドイツ人の生活をさらに申しますと、忘れてはならないのは、この窓の花であります。
外壁はみんな石造りかブロック造りですいる。 北ドイツ(上)では屋内に、南ドイツ(下)では窓の外に。
これが「文化」の違いなのだろうか?先ほど住宅を借りたと言いましたけれども、借りた住宅は、ともかく入ってみますと天井からは裸線が下がっておる。 台所へ行きますと給水パイプと排水パイプがある。
あとソケットの電気の差し込みはありますけれども、それ以外は裸線とパイプだけと、こういう状態で、あとは全部自分でやんなさいということです。 照明器具も裸線が下がっているので、そこへ照明器具を自分の好きな物を付けなさい。
台所も自分で、システムキッチンですけれどもね、自分で注文して自分で作りなさい。 私も家族が来るまでに、店に行って注文しようと思ったら「奥さんの身長はいくらですか?調理台はどのぐらいの高さが使いやすいですか?」。
全部そういう注文生産をやります。 そこで、そんなことまでしなくってもと、家具屋へ買いに行きました。
家具屋へ買いに行きましたら「ここにあるのは全部見本です。 どれがいいんですか?」と。

「これがほしい」と言うと「じゃあそれと同じものを作ります」ということで全部オーダーメードの家具ができあがります。 そして「それには六週間かかります」と言う。
だから六週間はその家に住めない。 こういうふうな状態です。
そのかわり「色は何がいいんですか?」とか「材質はどんなものがいいですか?」とかいうことの注文を全部聞いてくれます。 だから非常に合理的といえば合理的なんですが、まず六週間はホテル住まいでもしないとダメだということでした。
ざらに各ブロック「このブロックは赤い花にしましょう」「このブロックは白い花にしましょう」という具合で、誰が指示するわけでもなく、みんなでそういう習慣を作っております。 そういうことで潤いがある。
道通る人、散歩する人も、道を通りながら、さっきも言ったように窓はきれいになっている、窓にはちゃんと花が飾ってある。 そういう潤いのある生活です。
街路もですね、非常にきれいに清掃、整頓されておる。 こういう町でした。

しかしそれにはやっぱり、それなりの住民の協力がないとそういうことはできない、ということでございます。 私の家族が来ましたときは、その六週間にあと二、三日ありましたんで、まだ家具が入らない。
しょうがないからその差し込みのソケットで、鍋でラーメンを作って食べるというふうなことを二、三日やったことがあります。 そういうふうな、非常に個人の生活を大事にする。
だから今度は引っ越すとき、あるいは私らが日本へ帰ってくるとき、それを全部取り外さんといかんわけです。 次の人のために全部取り外して、また裸線と給水パイプだけ出して帰ってくる。
で、次の人はまた自分で設営する。 さらにまた引っ越しをするときは、だからそれを持って行って、それを使って次の家で設営する。
こういう状態でございました。 せます」「修理させますって、新品の洗濯機をなんで修理するの。
他の新しいのに取り替えてよ」と言ったら「いや、ダメです。 こういうことはあってはならんことなんで、電器メーカーがそういうものを作らないように、電器メーカーに注意する。
修理きせるからそれまで我慢してください。 それまで私のところの洗濯機を貸しますから」。
こういうことで、まあ皆さん恐らく「なんで?」ということで理解できないと思いますが、現にそういう生活が、ドイツでは行なわれておる。 今度それで洗濯をしますと、私も初めてだったんですけれども、その洗濯機がスタートポタンを押したら今度は、二時間ぐらい止まらないんです。
どうしてかというと、まずスタートボタンを押しますと、これは全自動です。 まず水が出て来る。
水が出てきたのを、水をお湯にするんです。 洗濯機のあれだけの水がお湯になるまで待たないといかん。

それでお湯になったらそのお湯で洗う。 今度はそれが終わりますと、また流して次にすすぎがあります。
同じ調子で、こうやりますから、いっぺん洗濯機の所変われば洗濯も……その調子でやりますと、例えば次は洗濯の話。 洗濯機を注文したら洗濯機を届けてくれた。
ところがスタートボタンを押しても動かない。 また電気屋さんを呼んで「おかしいじゃないか、取り替えてよ」と言ったら「いや、これはメーカーへ返して、調べて修理。
大体その源流がスイスで、河口がオランダ・ロッテルダムです。
ですから千キロ流れてるんです。 千キロいうと、だいたいここから仙台あたり。
ずうっとこの川が流れて来た。 そのあいだ、東北地方から関東・中部・近畿のその辺の汚れたものを全部含んだ水がライン川なんです。

ライン川という名前を聞いたら皆さん方、非常になんだかあこがれの川みたいに思うかもしれませんが、ライン川というのはそういう千キロも、その辺の汚水も含めて流れてきた川です。 だからそれなりその辺の地下水を浄水して使いますんで、カルキがいっぱい入っています。
一人住まいの時なんかに、そのヤカンで沸かしますね。 一年ぐらいそれで一人で生活して、で、ヤカンをボンと置いたら底からカルキの固まりがボコッと取れる。
こういう話があるくらいにカルキが多い。 水道から水がポトンと落ちる、その滴が乾きますとね、乾いた滴の周りが白くなるんです。
これは全部カルキがそこで残ってるんです。 こういうことで、ドイツの水は非常に悪いんです。
スタートボタンを押したら、二時間ぐらいはともかく待たないといかん。 そのとき分かったのは日本なら洗濯機は水でも十分洗える。
特に夏なんかだったら水で洗うでしょうけれども、向こうは物によって、綿ならこうだ、絹ならこうだというふうなことで、材質によってその温度を変えて洗濯をする。 今はあるかどうか知りませんが、昔はP&Gから「全温度チアー」という名前の洗剤を売ってました。
「全温度チアー」ってこれは何かなと思っておりましたが、ドイツヘ行って初めて分かりました。 三十度でもこの洗剤が使えますよ、六十度でも使えますよ、九十度でも使えますよというのが「全温度チアー」の「全温度」の意味なんですね。
洗濯機には三十、六十、九十と書いてある。 だから九十度っていうと、もう全くお湯で煮ているようなものですが、綿ですとそういうような洗剤を入れて、九十度でまず煮てですね、それで洗濯をする。

こういうふうなことがあります。 なぜかといいますと、非常に水が悪い。
ここにもありますように、デュッセルドルフというとライン川の川っぷちにあるんですけれども、ライン川というのはドイツ人はコットン、綿を非常に重用します。 今はポリエステルだとかいろんな化繊がありまして、皆さん方、洗濯もアイロン掛けも楽だと思うんですが、ドイツ人は綿が大好きです。
「綿なら雛が寄るじゃないか」と思われるでしょうが「その鮫がいいんだ」ということです。 あの刑事コロンボが、雛々のコートを着てますけども、ああいう感じですね。

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